医療保険と医療費用保険の違い

医療保険と医療費用保険という似た名前のまったく違った保険があります。この違いはどこにあるのでしょうか。医療保険は、ケガや病気で入院したときに入院給付金が支払われたり、手術をした場合やある特定の病気になったと診断されたときに支払われるものです。

しかし、実際はこれらを医療費に充てなくてもまったくかまいません。また医療費として自己負担したよりも多い給付金をもらうこともあると思います。これは別に悪いことではありません。病気をして入院をすれば、何かと出費がかさむものですし、収入が減っているかもしれません。

医療保険で支払われるお金はある一定の状況に対して支払われるものだからです。生命保険会社や共済などが扱います。これに対して医療費用保険というのは、医療の費用に対して支払われるものです。つまり公的医療保険の自己負担割合に応じて治療給付金が支払われたりするのです。

契約した範囲内で実際に払った額を受け取るものとなっています。また公的保険ではカバーされない入院費用保険金は差額ペット代や高度先端医療費用保険金( 健康保険ではカバーされないもの)、付き添い者雇用費用、入院諸経費などが支払われるものもあります。取り扱いは主に損害保険会社となっています。

◆ 入院日数の制限はどうなっているのか。

次にチェックした。いのが支払い限度日数です。入院給付金は入院したら無制限に何日分でもお金を支払うというものではありません。給付金に限度日数があるのです。例えば、1 回の入院について保険金がおりるのが120 日とか730 日といったようにわかれているのです。

それも日数計算の仕方が保険金が払われてから120日とか、入院した日から120日といったように少々複雑です。一度大病を患って入院すると120日(4ヵ月)くらいはあっという間にすぎてしまうものです。できることなら730 日型の方がいいのですが、その分保険料も高く設定されているのが普通です。また、終身型の医療保険に入っている人は自分は一生涯安心だと考えておられると、飛んだ目にあうことがあります。

それは、1 回の給付限度日数の120 日などと共に通算で何日分まで支払うという取り決めもあるからです。たとえば、1 回の入院給付限度は120 日で、通算が720 日だとすると、120 日の入院を6 回くりかえすと、その後は保険自体が終身型だろうと、入院給付金はおりなくなるわけです。

保険会社により、医療保険の高度障害状態のときの取扱いは二通りあります。死亡保険金( 入院給付金100 倍) と同額の高度障害保険金を受け取り、医療保障も消滅する会社と、高度障害状態のときには、その後の保険料の払込は免除となり、医療保障は継続(高度障害給付金は受け取れません) する会社です。

生命保険 定期型か終身型、全期型か更新型

皆さんの入っている医療保険(特約) は、いったいどんな契約になっていますか。いくら保障のしっかりした保険であっても、保険料( 掛け金) が高すぎては入っても仕方がありません。自分が受けようとしている保障をいったい幾らで買っているのかを、ぜひ今一度確認しておきたいものです。まず、行うべきことは入っている保険が、

1) 定期型なのか、終身型なのかというチェックです。定期型とはある一定の年令までしか保障が受けられません。医療保険のなかには、80才までというものも多いようです。つまり、78才で入院した場合には保険金が降りるのですが81才で入院した場合にはもらえなくなってしまうわけです。

また保険の中には70才くらいで保障が終わってしまうものもあり、年齢が高くなるとそれだけ医療保障が必要になる可能性が高くなります。あまり若い内に保障が終わってしまうようですと肝心な時になって保険が受けられないということもおきます。できれば、終身型がいいのは当たり前なのです。しかし、問題点は終身型はやはり保険料が高くなる傾向があるということです。次に保険料について考えてみましょう。そのときには

2) 保険料(掛け金) の支払いは全期型なのか更新型なのか、ということもチェックしておきたい点です。この場合での全期型とは保険料(掛け金) が契約時から一定で変わらないもの、更新型とは掛け金がだんだん(5年ごとなど) 値上がりしていくものです。終身保障される保険とはいっても、更新型で20代で払っていた安い保険料がどんどん更新されて3 倍~5 倍となっていっては、シニアになって払いきれなくなる可能性もあるのです。また保険料の大幅な改訂があるかもしれません。

つまり、保険の保障としては終身保障をしてくれるけれども、保険料が70才くらいになってみたら、あまりにも毎月の掛け金が高くなって、医療保険は欲しいけれども支払いきれずに仕方なく医療保険を解約しなくてはならなくなるかもしれないのです。これでは、残念です。

ですから、私は若いときには高い保険料となるかもしれませんが、全期型の支払い方法を薦めるわけです。また、払い込み期間も気になるところです。一生涯払い込みが必要な「終身払い込み」タイプのものと60才や65才までといったように一定の年齢まで払えばいい「有期払い込み」タイプのものがあります。もちろん、有期払い込みの方が毎月の保険料は高くなる傾向があります。それから、医療特約に入っている人は、さらにつぎの2 点でも注意してください。

3)医療特約は多額の保険金を一度に支払わなければならないことがある。定期保険付き終身保険などに医療特約を付けている人は、特約の保険料の支払いはどうなっていますか。

例えば60才までの払い込みで、医療特約は80才まで有効というものの場合、60才の時点で80才までの医療特約部分の特約保険料を全額前納しなければならないことが多いようです。

その金額はおよそ100 万円( 疾病入院特約と災害入院特約で入院日額5000円の場合) を支払わなければなりません。特約が終身となると、その金額は150万円くらいになるはずです。60才以降は特に大切になる医療保障ですから、医療保障を続けると幾ら支払わなければならないのかをチェックしておいてください。

安い保険料か魅力の「こくみん共済」

次は全労済です。厚生省の監督下で全国労働者生活協同組合連合会(全労済)が取り扱っている商品に、あの有名な「こくみん共済」(個人定期生命共済=定期保険)があります。

全労済の生命共済のなかで、もっとも人気のあるベストセラー商品です。大きな特徴は、年齢に関係ない安い保険料の「掛け捨て商品」だということです。本来、生命保険の保険料は年齢や性別によって変わってきますが、こくみん共済は保険金額による加入者全員の保険料は同じ、つまり、年齢の高い人ほど有利ということです。さて、こくみん共済のような。掛け捨て” 保険というと、「結局損をする保険じやないか… … 」とよいイメージを持っていない人が多いようですが、そもそも保険は契約者が損をするようにはつくられてはいないのです。

たしかに「掛け捨て」は保険が掛けられている被保険者に契約期間中に何も起こらなければ、保険会社に支払った保険料は一切戻ってきません。そのかわり満期保険金がある養老保険や一生涯の死亡保障がある終身保険と比べると保険料がグンと安いというメリットがあります。

掛け捨ての定期保険のなかでももっとも保障内容が充実している「こくみん共済」の保障内容です。とくに、通院保障が付加されていることは見逃せません。こくみん共済は月々三〇〇〇円( 加入年齢一五?四五歳)、月々二〇〇〇円(加入年齢一五~五九歳)、月々一〇〇〇円(加入年齢○~一四歳) の3つのコースがあります。ここでは二〇〇〇円コースを取り上げました。

結局、払い込む保険料を最小限に押さえて、万が一のときの大きな保障だけを求めるか、少々高い保険料を支払ってでも、〈貯蓄十保障〉タイプにするかは、まさにどういう目的で保険に加入するか、経済的にはどうかといった、加入者自身の状況次第といえます。

子供が幼いうちや教育費がかかる間は、とくに大きな保障が必要です。そしてこの一番大きな保障がほしい時期に、出費も重みます。こういう状況のときこそ、少しでも保険料を安くして、大きな保障を得る「掛け捨ての定期保険」がもっとも適しているといえます。「掛け捨て保険」も利用する人の立場や環境によっては大変メリットのある保険なのです。

解約返戻金から、お金をいつでも借りられる

解約返戻金がある保険の中には、貸付を受けられるものがあります。急にまとまったお金が必要になった場合など、所定の書類を提出すれば審査なしで上限額以下なら何回でも借りられるうえ、いつでも返済できるので非常に便利です。

最近は、保険会社によっては専用カードでATMから引き出せるサービスもあり、利用しやすくなっています。貸付を受けている期間でも保障はそのまま継続し、配当金が設定されている契約では、これを受けることもできます。

ただし、貸付対象は契約者のみで、被保険者や受取人は、この制度を利用することはできません。一般的には、解約返戻金の8?9割程度を上限とし、利息付きで借りることになります。貸付利率は保険商品ごとに異なりますが、予定利率が高い商品ほど高くなります。ただし、もし途中で保険を解約したり、被保険者が死亡した場合は、解約返戻金や死亡保険金から元金と利息が差し引かれることになります。

契約をしてから、実際に保険料を払いつづけるのがむずかしくなった場合は、保険料の負担を軽減する方法がいくつかあります。1つめは、優先順位の低い特約を解約したり、保障額を減額するなど、保障を小さくする方法です。そうすることで保険料負担を軽減できます。

2つめは、延長(定期)保険への変更です。これは保険料の払い込みを中止し、その時点での解約返戻金を使って、死亡保険金の額は同じまま、保険期間の短い定期保険に変更するというものです。

3つめは、保険料の払い込みを中止した時点での解約返戻金を使って、保険期間はもとの契約と同じまま、死亡保険金の額を小さくした保険にする、払済保険への変更です。主契約が終身保険の場合、保険料の払い込みをつづける場合に比べて、死亡保険金の額は小さくなりますが、それ以降の保険料は支払わなくても終身保険として一生涯の保障を残せます。終身保険であれば、もちろんその後も解約返戻金があるので安心できます。